【タッセル】結びの止め上げ方

タッセルで結んだ糸や紐が解けないようにする対処法は、結んだ糸や紐の糸始末をする「結びの止め上げ」です。タッセルづくりの経験から有効な3つの対処法について述べておきたいと思います。

タッセル結びで気をつけるポイント

タッセルづくりで対処しておかなければならないのが「糸の解け」と「糸抜け」です。ソフト型のタッセルでは、房糸が抜けるとスカートの形が崩壊してしまい、フィニアル型のタッセルでは、括った糸が解けるとパーツがバラバラになってしまうのです。このような原因は結び方そのものにもあるのですが、結んだ後の糸始末で防ぐことができます。

下巻きと上巻き

私の場合は、必ず結束する房糸を締着するための「下巻き」と、房全体を結束する「上巻き」を用いています。この2段階の結束でも糸抜けしなくなるのですが、下巻きが切れた場合や上巻きが解けた場合はリペアしにくくなるので、2つの対処法を用います。

対処法①

下巻きは細く強い糸で結束しますが、結び上げた結び目をできるだけ小さく整えてカットするために、結び目に必ず接着剤をニードルで塗布して固めます。

対処法②

仕上げの結び上げは、紐端を切り落とすと化繊紐なら切ったところから撚り戻ってしまうので、切り口に必ず接着剤をニードルで塗布してカットします。

結び上げに紐始末をする対処法③

意匠結束の定番ホイッピングは4重巻き以上で用いるため、二重や三重では結び上げても解ける確率が高くなります。また、結び目も膨らんでしまい意匠を損なう表れ方をしてきます。そこで、結び上げた紐を房糸の中にしまい込んで隠してしまう対処法です。タッセルではよく使う方法とされていますが、元々しっかり房糸の密度を高めているため、紐を通しにくいことや、糸色が異なる場合に見えたり、通し方が甘いと抜けて出てきたりするため、ケースバイケースで用いることになります。