結び房

房飾りと結びの文化
タッセルは治めかたを形に現すと同時に、起こりの部分をつくるのもタッセルの意味です。房の原形に近い「結び房」は、結びあがりを7本で揃えるものとされ、これまでの感謝とこれからの幸せを、祝いの数として使う古くからの慣習はタッセルの意味が持つ起源美のひとつなんですね。
結びによる房は、西洋語のタッセルとは呼ばず「房飾りの結び」と称した結びの一種です。結びを連続して一つの房にしたものや、紐を編んで組んだ組紐の房をみると、結びを尽くした末端を房でとめた全体を「総」(ふさ)と指したことを理解することができます。主に贈答や祝いに用いる「房紐」として結んだ飾り房として現れています。水引などに使われる祝いの代表的な「花結び」は、主に「入れ紐」に使われる結び方ですが、房の姿をもつものではなく、紐の結び合いに願いが込められたものとされます。付け房を代表する「総角」(あげまき)結びには、結び目が「入」の字形のものと、「人」の字形のものとがあり、一般には「入」形の総角を用い、「人」形は鎧などの武具にしか使わない習わしとされています。房飾りと結びは、古来から生活様式と深い意味を持って結びついたものといえます。
日本結び
タッセルは単独で房状に作る成り立ちから、各種の装飾的な姿に形成していくものです。タッセルの元にする基本的な要素は、タッセルの本体を形成する房と結束する紐です。「綛糸:かせいと」を房状にしたものに、糸を撚り合わせて強くした「撚り紐」で束ねるのです。基本的なタッセルは、綛糸を結束して房にする形態を総称する「結び房」が原形になると考えています。
結び房は、西洋タッセルに見られる結び方を指す「西洋結び」と、日本の飾り房に見る結び方を指した「日本結び」とに分けることができますが、固有の文化がもつ伝統的な「結び」に基づいた捉え方であろうと思います。
