輪形カルトナージュ「くぐり組み」

輪の形(円環)を二つ組み合わせる「くぐり組み」という形をご紹介します。輪形の設計は、サークル形を基礎にした製図によって成形することができます。最も重要なのは、定形物の個体寸法を元に内装寸法を割り出して、円環の広さや仕切り等の配列を決めることです。円環構造は外巻きと内巻きの側面を平行に倒立させてラウンドさせなければならず、外巻きよりも内巻きを作ることが難しくなる構造特徴を持っています。

くぐり組みによる作品『rond』

円環の作り方

円環どうしを組み合わせるためには、全てをみなし設計で作らなければなりません。試作のカルトンモデルは、底の形から側面の高さを見当立てるための重要な工程です。円環どうしが干渉する間隔と、最適な円環を求めることが最も重要なポイントになります。ペアリングした部分の遊びにみなし寸法を含めると、内輪寸法が大きくなります。しかし、それに連れて外輪寸法も広がります。これは、輪形面(収納幅)がどれくらい必要かを定めた上で見当立てしなければならないからです。繋がった箱どうしの大きさと、繋がった箱どうしの間隔のつり合いを取る複合設計になっています。