オーバルのお菓子入れ

浅めで平らな鍋、フライパンを模したカルトナージュのスタイル「オーバル・パン」。
“運を盛る”かぼちゃの形をイメージしたオーバルの形のお菓子入れです。

「食」をテーマにしたカルトナージュ

カルトナージュづくりのアイデアは、布地からなのか、シーンからなのか、形態からなのか、その考え方からのスタートにはいろいろあるものです。主にインテリアや小間物雑貨をモチーフとする中で、カルトナージュで注目したいモチーフが「食」の分野です。
カルトナージュでは金平糖やキャンディなどのお菓子入れとして使う、“ボンボニエール”スタイルの小さな菓子器を模して小箱を作ったりします。オーバル・パンは、トレイ(器)と皿(プラトー)が合体したような形です。パン(平鍋)とはいっても、鍋として使うわけではありませんが、オーバルの形を器にしたので「鍋型の器」です。

オーバル・パンづくり3つのポイント

オーバル・パンづくりに際しては、新しく3つの試みをしています。一つ目は、オーバル形の湾曲器皿を作る図法を作ること。二つ目は、出来上がりを想像するに組み立て方を考えなければならないこと。三つ目は、蓋部に取っ手を付けることです。

①オーバル・パンの図法
正多角形を用いた湾曲器皿形の図法は『布箱の製図学』でに収録していますが、楕円形で湾曲させる展開図法を新たに作成しています。(『オーバルの製図学』収録)オーバル・パンの形は面形状を繋ぎ合わせたものなので、正しくは扁平16角形なのですが、視覚的なディテールにスカラップやオーバルの曲線を用いてオーバルの印象を高めています。

②化粧組み付け
湾曲した面形状を繋ぎ合わせる形では、化粧包みや代裁ちの処理が困難です。そこで、部品ごとを化粧包みした上で組み立てていく化粧組み付けの手法を用いています。

③鉉取っ手(つるとって)
蓋付きカルトナージュは、蓋のシルエットまで含む意匠計画を立てるものです。オーバル・パンには、蓋天部に半円状に渡した「鉉取っ手」を付けています。

南瓜蓋楕円器皿 
[かぼちゃぶただえんきべい]