飾り紐に撚り合わせるコーディング術
タッセルづくりは初段階でコードに撚り合わせて準備しておかなければなりません。糸を撚り合わせて掛け紐や巻き紐をつくるためのコーディング(cording)という合撚作業が必要です。タッセルコーディングの目的は、タッセルのために何のコードをつくるのかが大事です。そして、どのようにして房と接合するかまでを総合的に計画します。房を形成するための機能的なツイストコードや、モールやブレイドといった装飾的に用いるコードの意匠を考えたりするのです。コーディングの段階から飾り房のイメージづくりが始まると言ってよいでしょう。
コーディングの実際
タッセルは様々な形や大きさに作るため、大きな房をもつタッセルなら、「綱(つな)」のようなコードをつくり、小さな装身具や付け房にするタッセルなら、「紐(ひも)」やさらに細い「細引き紐」をつくります。一般にカーテンタッセルは、カーテンの止め飾りとして綱のようなコードを用いていますが、自分で撚り合わせる場合は強力なコーディングができる道具が必要になります。ここではコーディングの実際として、普段よく撚り合わせるコードの作例を通じたコーディング術の一例をご紹介します。
細紐のコーディング
最も基本的なコードは0.7mm〜1.0mmのコードを小さなタッセルづくりで多用します。市販の糸の太さにもよりますが、刺しゅう糸やあみ糸ならそのまま2本または3本で撚り合わせます。コード自体の太さの違いは撚り合わせる糸の本数で調整しています。


太紐のコーディング
使用するものに応じて太く撚り合わせる場合では、コードの太さがおよそ8mm〜10mmのものです。


毛糸のコーディング
毛糸でタッセルやポンポンをつくる場合に、質感を揃えるために同じ毛糸でコードを撚り合わせることがあります。元々柔らかく伸縮する毛糸は太紐で強い撚り合わせになります。


ラメ入りのコーディング
装飾コードにする場合はラメを入れて輝きを演出したりするものです。金糸・銀糸のメタリック糸やラメ糸を使って、光の反射を演出したりします。


段染め刺しゅう糸のコーディング
普通の細引き紐として撚り合わせたものですが、糸取りした糸色で文様のような意匠を演出するためのコードです。対象とする木球に合わせて、コードの長さや太さを元に配色を意図したコーディングをしています。