リメイクリッド

プラ容器の蓋をカルトナージュに
リメイクリッド

本講座は、プラ容器の蓋をカルトナージュでカバーする簡単なサークル形のカルトナージュです。日常使いのものをリメイクして楽しむのもカルトナージュの魅力、製作時間はおよそ4時間程度で完成する1Day Webレッスンです。

フィックス蓋の手法

リメイクリッドで用いる蓋は「フィックス蓋」という手法です。通常の蓋は側面板の上に蓋板をのせる構造ですが、フィックス蓋は側面板の口縁部に蓋止めをつくり、下から蓋板を押し上げて固定します。側面と蓋面を互いに化粧貼りしてから組み合わせるため、巻き代が表に現れないことや蓋止めで互いに組み合う布地を活かした目地に仕上がります。

蓋止め(口縁止め)

製作をはじめる前に

本講座は市販の食品包装容器を参考モチーフにして製作するものですが、蓋のリメイク手法は任意のサイズに変更しても製作できるため寸法指定は省いていますのでご了承下さい。


【製作で使用している参考材料】
①プラ容器(高さ15cmの円筒容器):蓋のサイズ/直径10cm×高さ3cmのプラスチック製スクリューキャップ
②カルトナージュの台紙(カルトン・グリ):1mm厚
③布地:綿ローン
④ミシンキルト芯(薄手):2枚
⑤綿糸(タコ糸):直径0.5mm〜1mm程度/長さ40cmを1本
⑥水貼りテープ:ホワイト:38mm幅

参考容器
蓋止めの芯に用いるタコ糸

リメイクリッドの作り方

蓋の紙取り

グレー台紙(約1㎜)から側面板と蓋板を紙取りします。側面板はラウンド接合するための巻き合わせ幅を加算した寸法です。巻き合わせ幅は斜辺で接合するための幅です。垂直辺よりもラウンドが整います。側面板の高さには蓋を固定するための蓋止め幅(3㎜)を加算した寸法です。細いタコ糸ですが布地の巻き込みを考慮した幅で設定します。蓋板は容器蓋の直径と同じ寸法で紙取りします。

point

・蓋側面の長さに「巻き幅」を加算した寸法で紙取りする。
・蓋側面の高さに「蓋止め」(3mm)を加算した寸法で紙取りする。
・紙目は必ず蓋の高さで流れ目をとること。

蓋の直径の計測
蓋の円周長の計測

側面板のラウンド方法

側面板の巻き方

まず側面板の巻き終わりにする端を、巻き合わせ幅の対角で斜辺にカットします。側面板を容器に巻き付けて、巻き終わり位置を重ね合わせて巻き始めのカット位置を見当します。

point

・必ず台紙の表を表面に用いて巻くこと。
・あまりきつく巻かないこと(布地の巻き代が内側に入るため)

巻き始めを固定する
上に重ねた巻き合わせ幅から巻き終わる位置を求めカットする

蓋止めの作り方

容器蓋に巻きつけるので蓋止めがなくても組み合わせられるのですが、接合部分を整えるためにも簡易なタコ糸を用いた蓋止めは効果があります。

❶側面板の内巻き側に蓋止め位置をつくり、ボンドを塗布してタコ糸を真っ直ぐ貼り込む。
❷側面の表側から水貼りテープで内側に巻き込む。
❸必ずタコ糸に沿って筋入れする。(蓋止めの形をはっきり盛り上げるため)
❹側面板を接合したら容器蓋にはめて型付けする。

タコ糸を蓋止めとして貼り込む
水貼りテープで包んで成形する
側面板を接合する
容器蓋にはめ込んで型付け乾燥させる

フィックス蓋のトリム

側面板と蓋を包みます。それぞれ代裁ちは四方に1.5㎝程度の巻き代をとっておきましょう。側面板の化粧仕上げは折り返し代で綴じます。特にラウンド面への巻き代は切り込みなしの「内返し」で巻き込んでいくため巻き代幅を浅くとると巻き返ししやすくなります。

point

【内返し】内側に巻き返すトリムは、布地の遊びを巻き終わりへ逃しながら巻き込んでいき最後に綴じます。

巻き始めは平裁ちで貼る
巻き代は内返し、巻き終わりは折り返しで綴じる

蓋の天面はキルト芯を二枚重ね合わせて包みます。一枚目のキルト芯を蓋と同じ大きさで切り出し、二枚目は一回り小さく切り出して重ねます。

point

小さいキルトを下に大きいキルトを上に重ねるのがポイントです。
キルトの膨らみには張力がある程度で必要です。蓋板でキルトを押さえながら巻き代を貼り込むのがコツ。

布地の上にキルト大・キルト小を重ねる
蓋天板で押さえて巻き代を巻き返す
押さえ過ぎ、引っ張り過ぎには注意(反ります)
張力で表面が膨らむ

フィックス蓋の組み立て

蓋と胴巻きがそれぞれ仕立て上がりました。最後は容器蓋を土台にして、蓋を先に固定し胴巻きを上からはめ込みます。胴巻きの口縁に作った蓋止めが、固定した蓋とかみ合うところまで均等に落としこみます。クッションのきいた蓋との接合部分がきれいな目地に仕上がります。(完成)

仕上がった蓋と胴巻き
容器蓋を土台にして組み付ける