タッセル・フォーム

フィニアルの形状や外形を表すフォームは、外観を糸や紐で覆うため、スカートの素材や装飾と組み合わせたシルエット全体を捉えなければなりません。タッセルフォームを装飾する手法には、糸や紐で渦を巻いて覆う“スネイリング”と、縦方向に縞模様(しまもよう)をつけて覆う“ストライピング”があります。さらに、大型のフィニアル装飾の場合には、素地を覆った上に編み細工(ネッティング)を施したり、平紐やリボンを重ねて編み込んだりして、多彩に立体的な表現をしていきます。スネイリングとストライピングとでは、糸や紐の覆い方が違うためフォーム自体の形状が大きく異なります。スネイリング用フォームは、周囲を螺旋状に巻けるよう、フォーム自体の幅が横方向に広がっていることが特徴です。また、糸より紐を巻きつけることに向くため、曲線で隆起した形状になります。一方ストライピング用フォームは、縦方向に折り返しながら覆うため、フォームの中通しの両口に糸が集束するよう大きく広がっていることが特徴です。紐よりも糸を巻きつけることに向くため、繊細な糸色で彩色できるほか、スカートの糸流れにつながる表現ができます。

タッセルフォームは、タッセルの「型」というだけあって、基本となる原形があります。ある意味で、決まった形式や方法によるものですが、伝統的な頂華飾りの原形は、森の果実(どんぐり、なつめ)や貝殻(巻き貝、ツノ貝)を形象したものです。
基本的なフォーム

