刺しゅう糸をタッセルに使うメリット

糸の量をコントロールする
タッセルづくりの実際は、タッセルの大きさを決めるために糸を綛に巻き取る手順を踏んで綛状に整えます。糸を巻いて綛状に固定するタッセルスプールは、糸を引き揃える長さ、糸を巻き並べる幅、巻き取る回数でタッセルの大きさをコントロールするのです。
タッセルスプールに巻く長さを房長の目安にして、糸を巻いて並べる幅をタッセルの直径の目安にします。糸を巻き重ねて房の形を整えることになりますが、巻いていく回数を決めてタッセルに必要な糸の全長を求めるのです。


刺しゅう糸の太さ・細さ
タッセルは糸の太さによって、スカートのシルエットやボリューム感をつくり出すのですが、刺しゅう糸には、番手と呼ばれる細糸と太糸が揃っていることもメリットの一つです。
基準にする糸は、コットン刺しゅう糸なら25番の細糸と5番の太糸です。両方とも手芸店では定番番手ですし、同一メーカーなら糸色も合わせることがきます。その他、店舗では取り扱いが少ないのですが、刺しゅう糸3番や、刺しゅう糸16番や20番のアブローダー糸等があり、タッセルに使うとそれぞれの風合いや触感が異なる趣になります。素材によっては番手相当として取り扱われています。



刺しゅう糸の色
刺しゅう糸の豊富な糸色は、タッセルの魅力をつくりだす重要なポイントです。コットン刺しゅう糸25番は、およそ400を超える色糸が揃っています。豊富な糸色を持つ刺しゅう糸だからこそ、糸色のコーディネートを楽しむことができるのです。
タッセルの配色には、単色と混色がありますが、タッセル特有の色彩性質として、互いの色が混ざり合って見えるのではなく、互いの色を交互に継時的(継時混色)に見るため、混糸する色と色の“中間的な色”に見えてくるのが特徴です。単色で束ねるタッセルは、明確な色彩で糸量の見当が立てやすいのですが、混色したタッセルを作りたい場合は、「色相・彩度・明度」という三つの性質(色の三属性)があるため、配色と巻き方がタッセルの色彩を決定する重要な技術になります。スプールには、混色する糸を並行して巻きます。











