四角編み房

タッセルは単独で房状に作る成り立ちから、各種の装飾的な姿に形成されていったものです。房づくりには多様な飾り手法がありますが、糸を結んだだけの「結び房」は、作ってみるとタッセルの原形を表しているように思います。

クラウンノット・タッセル

クラウン・ノットは、飾り結びの一つ「四角編み」(王冠の結び目/クラウンノット)と呼ばれる組紐の技法です。端止めの返し結びを、四つで編み込んで頂部を王冠の形に用いた結び房です。組紐では、綱や紐を組んだ後の端留めをしまう結びとして用いられていますが、引き締めた結び目を飾りとして用いた「結び房」です。

クラウンノット・タッセル


クラウンノットは、綱や紐を合わせて結び目をつくるだけですから、綱や紐の太さを融通できることが利点です。太くても細くても結び目をつくることができますが、タッセルにするためには、糸を複数本束ねる必要があり、束ねる本数によって結び目の大きさを変えます。四角編みによる結び目は、二本の糸束を組んで四つに引き締めて固く小さなヘッドを形成し、合わせた糸束の太さをスカートのボリュームにします。