そぎ竹形

【形の仕組み】
名称:そぎ竹形
図形:切頭円柱形
収録:製図Ⅲ『お福箱の製図学』
門松として飾る「竹」の先端を斜めに切った形を模した「そぎ竹形」です。
お正月モチーフ“松竹梅”の一つを形にしました。
【製図の仕組み】
『お福箱の製図学』の中でも、特に苦労した形の製図法です。そぎ竹は、円柱を斜め45°で切った形ですから、切り口は全て曲線になるのですが、カルトナージュの台紙で組み上げると、視覚的に一部の切り口が歪むのです。そのため、『オーバルの製図学』ではお馴染みの緩和直線を用いて、水平になるよう図法修正しています。
竹モチーフのカルトナージュというと、イメージが湧きにくいのですが、45°の切り口が作図できれば、円形した面を直角に組み合わせた額縁ができるようになるため、図法そのものの有用性が高まるからです。
作例は、半円状のフレームをスクエアに組んだ、額縁スタイルの試作モデルです。薄ボール紙で貼り合わせているため、接合面がガタガタしていますが、四角の組み合い方を検証したものです。この試作は半円状で行ったものですが、そぎ竹は全円になると曲線の誤差を逃がしにくくなるため、緩和させる製図の精度が求められました。



