柊形(ひいらぎがた)

【形の仕組み】
名称:柊形
図形:扁平八曲縁錐台形
収録:製図Ⅲ『お福箱の製図学』
日本在来の柊の葉をモチーフにした形です。古来より柊葉は邪気を払う縁起木とされ、魔除けと幸福の意味が込められた形です。八辺が湾曲して尖った形から「扁平八曲縁形」としました。内側へ湾曲するスキャロップ(曲縁)が特徴ですが、創作図案のため多様なイメージを持つ形であることから、真っ直ぐ過ぎず、尖り過ぎない美しさを表したものです。
【製図の仕組み】
形には平仮名の「ひいらぎ形」と、漢字の「柊形」があり、曲縁の尖り方と図法の難易度から区別しています。本形の「柊形」は、曲縁を割り出すために比率矩形を元にする作図法になっています。また、立体的な見え方において柊形がイメージしやすいよう、曲縁を全て斜辺で構成しています。そのため柊形の図法構成は、正六角形、二等円楕円形、八角形、曲脚錐台形、円錐台形の五つの形から成っており、五つの図法を部位ごとに用いて作図しているので、見た目に依らず複合した図形になっています。
横置きで使うと斜辺が強調されて、また違ったイメージを帯びてくるのも柊形です。
