CARTONNAGE WORKS-01

カルトナージュ製作から得た創作のヒントをもとにして、フランス式の常識的な手法に自由で新しい価値観や様式をプラスした考え方で制作しています。

自分らしいカルトナージュの仕立て方を

カルチャーとしてのカルトナージュは“カルトナージュづくり”そのものに焦点が集まっていくものです。カルトナージュとしてのノウハウに魅力があるからですが、その反面、作り方において一様ではないものを求めたいと思うのが、現代の流れになってきていると思います。

カルトナージュにはこれまで培ってきた伝統やスタイルというものがあります。現代において自分らしさや、どこかにオリジナリティを求めようとすれば、時代や流行を反映してきた市販品布地の意匠を借りながら、密かに装飾を楽しむ作り方のカルトナージュではないかと思うことがあります。布地から織り上げてプリントするわけでもなく、日常の実用に目を配りながら、毎年の流行を先取りしながらカルトナージュづくりをしているのです。

一般にカルトナージュの製作スタイルが市販の生地を用いるため、カルトナージュ作品としてオリジナルになるものはそう多くはありません。それだけに、布地柄と形の相関が大きいのもカルトナージュの特徴でしょう。私の場合は、ビンテージ布や廃番になった布地柄や無地布を用いることで形の独自性を際立たせるのですが、市販の布地を使う場合であっても、独自の仕立て方から設計したり意匠表現を凝ったりして作品の創作率が高まる工夫をしています。