TASSEL WORKS-01

糸を素材に「撚ったり」「巻いたり」「束ねたり」「編んだり」して作るタッセルは、素材の違いや色糸によってシンプルなものから華やかなデザインまで、創りだせる奥深い面白さがあります。

オリジナルへのこだわり

作り始めからオリジナルのフォルムに基本的なソフト型タッセルでは、単色による束ねから糸色を混ぜて混色する展開をします。さらにカラーパターンを作ったりエッジを施したりするためには、意図して見え色を配置した混色の巻き方が必要になってきます。装飾は見え方と演出とに向かいますが、既製パーツを用いたアクセントをするにもシルエットや素材のマッチングが大切です。それだけに『Grasole』作品では、ヘッドトップを飾るおだんご型のヘッドモジュール「シニョン・モジュール」を作成しています。

タッセルのスカートの形には古典的なスタイルがいくつかありますが、その殆どは2ピース型で頂部と房部を分けて作成することが多く見られます。1ピースに一体となったシルエットの場合は、房の巻き方を土台から設計しなければ意図した姿にはなりません。『Ruban』はスレッドを束ねて薄くリボンのようにループバックした「リボンループ・スカート」の束ね方ですが、シルエットの中に糸のまとまりや流れを作っています。『campana』は房の末端を切り玉のように短く刈り込むための「ハーフポンポン」型の巻き方によって、ポンポンではない1ピースのタッセルを実現しています。『Balletto』はウェーブをかけて束ね、ふんわり丸く広がる「バレエカット」のカッティングでシルエットを実現しました。

1ピース型タッセルの部位は基本的にネックを起点にして頂部と房部に分かれますが、『uva』『Finial colletto』はフィニアル(頂華飾り)を模した「ハーフフィニアル」を素材そのもので一体の成形しています。また、飾り房の色彩を視覚的にも物量的にも感じとれるポンポンでは、面で捉えたポンポンの色彩「トランジッションカラー」表現を試みています。