カルトナージュの蓋づくり

カルトナージュでつくる「箱」は、身に蓋をかぶせて覆うため、開け閉めする用途に適するよう形や作り方を考える「蓋」づくりの知識が大切です。カルトナージュの蓋の形は意匠を決める重要なディテールです。

蓋とは何か

蓋とは箱の口を塞いだり被せたりするものをいい、被す・塞ぐ・あてがう・閉じる効果をもつものです。蓋は箱を実用的な物入れにするために、箱の一部として分離したり一体に使用したりします。カルトナージュも一般的な紙器に準じて、蓋を区別して用いることができます。

被せ蓋上から身箱を被うよう仕立てた蓋被す
印籠蓋下箱の口縁と上箱の口縁が合わせて継ぎ手で合わさるよう仕立てた蓋継ぐ
落とし蓋身箱の内側に落ち込ませて、蓋の表面を平に揃えて仕立てた蓋塞ぐ
のせ蓋身箱の口縁にのせるよう合わせて仕立てる蓋あてがう
蝶番蓋身箱の口縁を支点軸に開閉するよう仕立てた蓋閉じる

「被せ蓋」や「印籠蓋」は、箱の形を強く押し出した立方体状の蓋になり、身箱と同等の形状を持ちます。「落とし蓋」と「のせ蓋」は、身箱の開いた口に蓋を詰めて塞ぎますが、蓋をどのように身箱に固定するかが異なります。「蝶番蓋(ヒンジカバー)」は蝶番式の覆いという意味から、身箱の中が外から見えないよう扉のように閉じる機能を持った蓋です。箱の機能の一部を蓋が帯びたものですが、接合部分をヒンジという手法で捉える必要があります。

被せ蓋(花鍔形房箱)
印籠蓋(初夢梅形小箱)
落とし蓋(パウダースタイルボックス)
のせ蓋(オーバルパンのお菓子入れ)
蝶番蓋(クリスマスオーナメントボックス)