台紙に製図するポイント

カルトナージュで製図の精度を活かすには、製図に基づく正確なカルトンのカットまでが重要です。製図した寸法とカットして取り出した寸法が違わないよう、製図とカルトンのカットが関わるポイントを述べてみたいと思います。

台紙に製図する二つの方法

カルトナージュのパーツをカルトンから取り出す方法には、直接台紙に製図してカットする場合と、複雑な製図になる場合には直接グレー台紙には描きにくいため「型紙」のようなものを予め別紙で製図したものを台紙に貼ってカットする場合があると思います。一般的には直接描くことが多いと思いますので、直接描く場合の製図方法と取り出す際のカットの方法があります。

例)直接台紙に製図した展開図
例)カットして組み上げた形

(1)台紙に作図する位置に留意すること

カルトナージュの製図作業は直接台紙に作図するのが基本ですから、作図する台紙は原則として台紙が持つ紙目の方向に図形を描く向きを合わせることが重要です。また、台紙の断裁は必ずしも直角ではないため、台紙の端から作図の採寸をしないことも重要です。次にカルトンへの製図は、紙目を正しくとって製図をすることが前提です。図のように四角形の辺は紙目に沿った辺はカットしやすく、紙目に逆らう形は切りにくい図形だと留意しておきましょう。

(2)作図線の“太さ”に留意すること

作図する製図線は「細く描く」のが基本ですが、できれば作図した線の外側をカットすることを意識します。一般的なカッターの刃の厚さは0.5mmあるため、作図線の真上をカットするとカッターの厚みで若干小さく切り出すことになるからです。通常の作業において、それほど神経質になることはありませんが、意識するだけでも正確な作図を活かすことに繋がるものです。
グレー台紙に異なる細さで円弧の作図線を引いて比較した例では、一番外側の線=0.5mm(製図ペン)、真ん中の線=0.3mm(ゲルインクペン)、内側の線は2Hのペンシルホルダーによる鉛筆線です。これだけ細さが違うと、カッターの刃をどこで引くかは少なからず影響してくるはずです。

Tassel N

鉛筆・ペンなどのホルダーを備えたコンパス

グレー台紙は鉛筆線が見にくいためインクペンやデザインカッター等に差し替えられるホルダー付きコンパスを使って作図したりします。

※ホルダーによって口径や固定方法が異なるため使用可能かどうか注意が必要です。