ダブルカルトンの手法

オーバル形やサークル形を作る場合は側面をラウンドさせて組み立てます。作り始めた頃は、小さな箱でも結構長い側面を巻くものだなと思いました。特に問題に感じたのは曲げ形成によるつなぎ目の浮きと筋でした。繋いでも美しく曲がり、しかも大きな箱ならカルトンの強度も保てる方法がないかと考えたすえ、ニ重に重ねて巻くダブルカルトンという手法を用いるようになりました。独自の手法ですが、構造が補強できて美しいラウンドにできる巻き方になっています。

カルトンを逆巻きする効果とは?

つなぎ目を逆に切った二枚の側面を用意しておきます。二枚目に使うカルトンは、一枚目の上から巻くため、一枚目よりも長く紙取りします。また、形のクセ付けを行うテンプレートも用意しておきます。

次に、一枚目のカルトンを巻いて水貼りテープでつなぎ組み付けます。内側からテンプレートを天と底に固定しておきます。形が整った上から二枚目のカルトンを巻きます。こうして巻くと中のテンプレートが芯になって、外側からの貼り遊びのないきれいな巻きになります。巻く位置は一枚目の繋目とは反対側のフラットな面から巻き始めます。巻き終わりが長くなる分、実際に巻いてからカットする方が合理的なので、巻き始めから半分程度までは、接着剤で固定しておき残りの巻き終わり位置に印をつけてカットする位置を決めます。しっかり巻き締めなければ、自然に巻いていくのとでは力の配分が変わってくるので注意しましょう。

ダブルカルトンの手法によって、尖った繋目が互いのフラットな面にあてがわれて目立たなくなってくる利点があります。また、繋目を分散させることで、カルトン強度のバランスをとることにもなります。それでいてラウンドした側面の厚みをしっかりと作ることができるのです。

タンブラー形

タンブラー形の傾斜のついた巻き方はダブルカルトンは必須です。