タッセル&カルトナージュ
LAST UPDATE: 1/1/12 
TASSEL&CARTONNAGE HOME
TASSEL&CARTONNAGE

 Products

    TASSEL
    CARTONNAGE

 Laboratory

    BOOKS
    LIBRARY





STORIA 2011


2011年タッセル&カルトナージュの創作活動の履歴。

タッセル学とカルトナージュ学
タッセルやカルトナージュとは何か?作り手の発意から探求をはじめた「学」ですが、作るだけではなく、作る中に学びを得ることまで高めたいという目標を持って考察を蓄積し体系化しようとまとめた概説二部作の発表。これまでの創作の中で気づき、なぜ?という問に対する探求心から、文献や資料をひもといて発見したタッセルのルーツやカルトナージュのエピソードを新たに書き加えたものです。ですから、まだ始まりにしかすぎませんが、タッセル&カルトナージュについて、ここまで詳論しているのは本書ならではです。

 


カルトナージュの新たなフェーズとメソッド
1月に発表した「初夢梅形小箱」は、和布を用いた和形カルトナージュの創作でした。花形のシェイプを定義し、これまで単純な面取りトリムを、半立体的なレイヤートリムで仕立てた表現手法として発表したものです。特に和形のカルトナージュについては、伝統的な典型を用いた和布に焦点があたりがちでしたが、シェイプを現代的に捉えることで、モチーフとシェイプとの関係性を再考するきっかけとなったことです。また、基本的な房飾りですが、タッセルとしての組み合わせを、スタイルからトータルにコーディネーションする取り組みにもなったことです。

 


さらには、「Shape of Cartonnage」と題して、カルトナージュの典型を一覧にして、シェイプというカルトナージュのメソッド作りのステップを踏んだことは、大きな転換にもなりました。これまでシェイプを、実際のカルトンで作り表現したものがなかったことに大きな反響をいただきましたが、当初の典型の精度がよいことから、そのシェイプを実現するための「カルトナージュの製図法」を9月のレッスンとして再開することができました。カルトナージュのレッスンは、モチーフを作るハウツーものが多い中、カルトナージュに工芸製図として踏み込んだことは、これまでに無かったものとして、これまで待望されていたレッスンではなかったかと感じます。そのおかげから、ランプシェード型を作るアバジュールの製図法を発表できたことはプラスアルファであったと思います。但し、シェイプの製図法でしかなく構造化の留意点等、まだまだ考察し確立していく余地が十分に残されているものですが、プリザーブドフラワー等で、花器をカルトナージュで作る製図法として好評いただいているようです。



はりこなぁ〜じゅという新しいカルトナージュの楽しみ方を提案
カルトナージュならぬ張り子の手法を持ちいた「はりこなぁ〜じゅ」(独自呼称)を考案し、カルトナージュの新たな楽しみ方を研究し発表しました。その手法の単純さや、カルトン構造の捉え方や化粧張りが、これまでのカルトナージュとは異なり、違った意味で自由な創作性を持っている事がわかりました。特に、初めての方でも、既製の無地箱や、空箱にを用いて、自分の力量にあった取り組みができるほか、カルトナージュ経験者にとっては、カルトン構造の作り方次第では、カルトナージュと同じ仕上がりを作り出すことが可能です。さらには、布地を使った化粧張りの難しい手法にとらわれず、また、ランチペーパーを使ったアレンジは、独特の意匠性を有する作品が生まれるのです。また、カルトンの生成りを用いることから、カルトナージュでも難しいヒンジの作り方を、はりこなぁ〜じゅ用のカルトン・ヒンジという手法にまでモディファイしたテクニックも発表しました。当初は、単純にエコ・クラフトとして取り組んでいましたが、その面白さから一つのメソッドを蓄積することができています。その手法や、独特の材料特性について、さらに考察を深めた時点で再度発表したいと考えています。

カルトン・ヒンジによるソーイングケース 包装紙を用いてカンパーナと組み合わせた重箱
タッセル・ヴァルをブレードで設えたコーンカップ 様々なランチペーパーを用いることができる意匠性


プロジェクト化したキャスキット
カルトナージュの典型が、ラインアップできたため、これまで思案していたスタイル化のフェーズへと移行した時期でもあります。その第一作目として、キャスキットというスタイル提起をしたことへの実証製作を試みました。カルトナージュの表現とは、実用的で一意に定義できるものと、多様性を含む創作的なものまであるのが特徴です。シェイプとしての捉え方、実用的なユースの捉え方、そして、デコレーションやアレンジメントとしてのスタイルとしての捉え方があるためです。この、キャスキットは、キャスキットを定義していく過程で必要な、ディテールを備えた上で、オリジナルのエレメントに創作したカルトナージュです。

 

このキャスキットには、カルトナージュのディテールとして、レッグが仕立てられている点や、スペックとしてチェスト式ドロワーを用いた、コモドー型キャビネットというタイプ分類を定義しています。さらに、タッセルの領域では、ハーフフィニアルを用いたタフテッドタッセルを設えたことが大きな特色となりました。このキャスキットスタイルは、カルトナージュのスタイルブックの第一巻として同時に発表しています。



シルエットのデザインを進化させていくタッセル
カルトナージュのみならず、主とするタッセルについての考察も追求しました。パッサマネリーアやオレイエ、カンパーナ、ピウマ等、幾つかの小さなタッセルを発表しましたが、創作タッセルの大きなテクニカルタームとなったタッセルは、キャスキット用のタッセルです。これまで考案してきたカルトナージュで仕立てられるタッセルとして、よりタッセルのフォルムを継承できるよう、フィニアルをカルトナージュ製にグレードアップしたことです。そのことに合わせて、タフテッドの魅力作りは、クリスマスタッセルとして発表した「Noel2011 Tassel Rois」による、フルフィニアル型タフテッドです。このタッセルには、フィニアル装飾に、カルトナージュ製の要素を取り込んでいるほか、トップボールにネッティングを使ったことが特徴です。オリジナルフィニアルに対する安定したネッティングが確立したことによります。このタッセルを前身として、11月に初めてタッセルメイキングのワークショップを開催し、タッセル・トレゼというネッティングを施した、セミフィニアルのワンピースタッセルを発表し、その後、ブラッシュアップを加えています。

 


タッセルの創作は、スカートのデザインおよびシルエットがポイントですが、そのこに付随して、タッセルそのものの構造設計を考える手間のかかる作業です。ワークショップでは、手間のかかるめんどくさいレッスンと前置きした上で開催したものですが、そこから得られた経験からは、これまでタッセル作りをしてきたものにとって、客観的な視点を得ることができたことです。そこで得た課題は、タッセル作りを再度整理し直して、どこまで把握して基本作業を行い積み重ねていくかという、独特の難しいプロセスを、ハンドワークとしてパスマントリー手芸として奥深さを持ったメソッドに改めていくかということです。”易しく作ればそれなりに、本気で作れば、誰にでもできるというものではなくなる"という課題解決のために。



余談ですが、ひっそりとした発表でしたが、ロゼットを発表しています。ヴァルというタッセルの傍流を創作したことで、カルトナージュへのアレンジが一気に広がったのですが、ヴァルのアセンブリーとして考えられる王道は、ロゼットスタイルですね。これも、今後の課題として取り組んでいこうと考えています。

ロゼットのような編物ワークのようで組紐ワークのようなテクニックは、まだまだといったところです。その形態は作れても、作りたいスケールにブラッシュアップする感覚としては、まだまだ習得しきれていない未熟さを痛感しております。これにたんを発して、そういったデコレーション性を取り入れた、カルトナージュをワークショップと同時開催した作品で発表したのが「カルトナージュ・フレーゼ」です。

 



PASSAMANO.JP
Copyright © 2009-2012 Passamano All rights reserved.