タッセル&カルトナージュ
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初版公開:2012.1.19







フォリオ式カルトナージュ

 カルトナージュの種類を定義すれば、ボックス、トレー、フォールディングの三形態に大別することができます。この中で、フォールディングと特徴づけて呼ぶことができる、折りたたむことを手法としたカルトナージュについて述べてみたいと思います。ここでは、フォールディングの類型となる、フォリオ式カルトナージュの特徴や手法にスポットをあて、カルトナージュの一義的な魅力の一つに迫ってみたいと思います。

カルトナージュの分類について


 カルトナージュの本来的なカートンという意味から、その種類を第一義に分類すれば、形や手法における根本的な違いがあるものとして、ボックス、トレー、フォールディングに大別することができます。なんだ!そんな単純な・・と思われるかもしれませんが、数ある多様なカルトナージュの基本形態は、これらのどれかに分類分けすることができるでしょう。その中で、最も多数を占めているのがボックスですね。また、フレーム額装や、今流行のアバジュール等はどうなるの?ですが、これらは、本来的な意味から拡張されたカルトナージュとしての例外的な分類といえます。つまりカルトナージュ製という観念的な要素があるためです。

【folding】フォールディング

 フォールディングとは、折りたたんだり、折り重ねたりする意味から、折りたたみ式の機能を特徴としたものです。カルトナージュでは、ステーショナリー分野においてノートカバー、バインダー、メモ帳、フォトスタンド、手帳カバー等の形態にみられるものですが、カルトナージュの基本形が箱の形態で収納性を目的とすることに対して、フォールディングは、平面的な形態から機能性を目的としている差異があります。また、フォールディングの中には、二つ折り、三つ折り、本や雑誌に見られる折りや綴じの手法において、それぞれ異なる類型的要素を持つことがあげられるでしょう。

フォールディングの類型
1
【 Folio 】フォリオ式:二つ折り判の形態
2
【 Folder 】フォルダー式:折り畳んで収容するために背がついた形態
3
【 Layer 】レイヤー式:三つ折り、四つ折り等、折り重ねる形態
4
【 door 】ドアー式:左右を中央から開閉する形態
【 Accordion 】アコーディオン式:蛇腹式の折畳みによって伸縮させる形態



 【 Folio 】フォリオ式カルトナージュ


フォリオヒンジ

 フォリオ式カルトナージュとは、平面状態のカルトンを二つ折り判に仕立てたものです。フォルダー式のバインダーや書籍にある背がない状態になるため、平面状態の二枚のカルトンをヒンジで繋いで二つ折りに仕立てる手法といえます。フォリオ式は、平面を折りたたんでも平面に近い状態になる、マチ幅の少ない開閉式の構造を持つのが特徴です。二つ折りした場合には、一応背という部分を持つことになりますが、中芯を持たない背となり、殆ど折りの支点に近い状態になるため背という概念でなくなります。これは、ヒンジという蝶番のような状態を作ることになるのです。フォリオ式カルトナージュのテクニカルタームは、二つ折りを実現するためのヒンジ、すなわちフォリオヒンジという形成手法が求められます。カルトナージュにおけるヒンジとは、蝶番という既製部品を用いるのではなく、カルトンとカルトンを布地でつないで支点となる部分を作り、ヒンジを軸として扉や蓋を開閉するようにした接合状態のことをいいます。

基礎には布地製本の手法
 二つ折り判は、書籍製本にみる形態と同じとみることができるため、工芸手製本の手法を用いるのと同じ仕立て方で作ることができます。但し、書籍のような背をもったものではないため、カルトナージュ特有のカルトンの厚みに対する折曲げ方を考慮した作り方がなされるのが特徴です。また、製本の部位名称と同じ概念でディテールを捉えることができるほか、製本を手本にして仕立てることができます。

フォリオ式カルトナージュの手法ポイント
 元々身近にある文房具の形態を手本にできることから、さほど難しく感じないカルトナージュと思われるかもしれませんが、製本手法としてみれば、これほど専門的で基礎力の必要なカルトナージュはないと感じるほどです。その作り方においては、緻密な計画によって仕立てていくことを特色とする要素があります。
 フォリオ式は、(1)使用する材料の選定、(2)材料比率の割り出し、(3)設計寸法取り、という重要なファンデーション作業が、仕立ての秘訣を握っています。例えば、カルトンの選定と用い方一つで仕立てを左右する反りへの対処や、素材の特性を把握し、素材選定や材料配分を行うことで、実用に耐えるかどうかを左右します。また、カルトナージュならではの厚さ重さ硬さ等、箱のようにある程度の大きさや用途性を柔軟に捉えることができないシビアな作りが要求されるのです。これらは、フォリオ式カルトナージュに設定するディテールに力点が置かれるためです。フォリオ式は、その用途を考慮した二つ折りの機能を作ることにほかならないため、中身に入れるものや、中身を固定するものを、全体からみてどうしなければならないかを考えなくてはなりません。単純で身近にある形だけに、見よう見真似で作れそうですが、フォリオの難しさは、そういったディテールの積み重ねで体を成す手法となるのです。背幅やヒンジが不適切でフォールディングしない!なんて・・完成後にわかるのでとても辛いですね。中級者であれば自らの仕立て力を知ることができる典型かもしれませんが、それだけにメイキングで得られるものは深く、しみじみと感じとることができる魅力的なカルトナージュではないかと思うのです。


 


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